子ども達と「うさぎ・にわとり」の遊び場

 幼稚園からうさぎ小屋の柵が古くなったので新たに考えてくださいと相談がありました。 子ども好きの建築家は何でも屋です。「うさぎと子どもたちの触れ合いの場」づくりをイメージしながら幼稚園に出向いてみると小屋の廻りには四角い柵が施され、うさぎと鶏がいます。  じ~っと、うさぎを見ていると子どもの頃、神経質で過敏な動物であることを思い出しました。 うさぎを抱くと生身の動物の生暖かい体温と激しい鼓動が伝わってきました。ぬいぐるみと違う、この暖かい感触も子どもたちに伝えてやりたい。鶏はお好み焼き屋に行くときにいつも卵を失敬していました。          うさぎ小屋と新たな柵  理事長先生と幼稚園にとって小動物と子どもたちの触れ合いとは何か?・・・うさぎ小屋の柵は如何にあるべきか?・・・なんども、なんども話を重ねていると単なる柵の問題を飛び越えて、幼児教育の問題点まで話がおよび、やっと2ケ月も掛かってプランが固まりました。 子どもと動物との隔たりをなくし、柵のイメージを払拭すること。そのことによって子ども達と動物が自然に触れ合い、感動的な体験が沢山できること、そんな遊び場を作ることに決定したのです。                 自然であるように柵は皮付きの丸太と植木も植えました  柵は自然の皮付きの丸太を使って曲線にし、遊びの森と一体的になるようにしました。 神経質なうさぎも子どもから逃れ隠れる場所も作らなければそして、子どもと動物が柵で隔たりがないように身近に触れ合い…

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日本は子育て先進国・・・。だった

 月明かりの中、夕顔棚の下で親子三人が心やすらかなひと時を過ごしています。江戸の初期に描かれた国宝「久隅守景の納涼図屏風」です。 この浮世絵を観たとき不思議な哀愁を感じさせました。あどけない子供の表情、微笑ましい親子の関係に日本ではどのような子育てをしてきたのか数年前から江戸の子育てに興味を抱いてきました。  350年頃前の江戸時代では、子供は町の財産としてわが子もよその子も区別なく教え育て、人間として生きていくための最小限のことを身につけさせてきたようです。 寺小屋では「読み・書き・そろばん」だけでなく、「聞くこと・話すこと・考えること」人間として生きることの躾、人々が助け合い、お互いを思いやりながら仲良く暮らすための人格や教養も学ばせ、人や世の中に役立つ人間になることを基本としてきたようです。この時代、これほど素晴らしい子供の養育に力を注いでいた国は世界では見当たらなく、江戸時代の子育てにのめり込んでしまいました。 同時代の西欧では、子供は未完成な人間として叩くことやムチなどで痛みを与え、部屋に閉じ込め育てることがあたりまえの教育法だと思われてきたようです。しかし、20世紀の始め頃になってモンテッソーリやシュタイナーなど、子供の心や意志を育てる感覚教育法が生まれました。西欧では子供の人格や感覚を育てる教育法は100年程度の歴史なのです。                  菊川英山の「すな鳥子供遊」 公文教育研究所蔵                     江戸は水の都、…

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ダンボールの椅子

 幼稚園でダンボールの造形遊びを行いました。子どもたちの創造力はどんなものか30人の園児と一時間半の奮闘劇、ボランティア活動・・・いやいや楽しい体験と素晴らしい勉強をさせて貰いました。そのダンボールの創作遊びの時、可愛い女の子がダンボール箱を持ってこれで椅子作ってと言ってきました。 建築家としてはこの課題から逃げる訳にはいきません。・・一緒に作ろうかと言いながらもどんな椅子にするか、頭の中は与えられた課題でイメージがフル回転です。完成の姿を頭の中で描かねばなりません。 短時間で作る椅子・・その方法はダンボールの箱の姿を生かすこと・・イメージが沸いたよしこれで行こうと・・・。 カッターナイフで円を切ってダンボールの箱がそのまま椅子になる短時間(2分の奮闘)の作品をつくりました。 ありがとう・・とっても嬉しそうな顔をして仲間たちの中に、その後ろ姿を見ながら意外と簡単、今度チカチコで強度を持たせて改良しょうと・・・これが改良されたダンボールの椅子です。 ①・・・ダンボールのパーツづくり   ダンボール箱のふたと繋がっている側面を円形に切ってそれが座になります。   他のダンボール箱で背と座の補強材を制作します。 ②・・・早速組み立てです。これだけの強度があると大人も座れます。 ③・・・組立てはガムテームや木工ボンドなど制作時間は慣れれば5分程度でできます。 ④・・・チカチコのオリジナルシースを被せれば素晴らしい椅子にも変身します。    プレゼント…

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