春か来た♪ 春が来た♪ 山や里に来た♪
高下谷の棚田には草木の新緑の芽が一斉に吹きだし生命感に満ち溢れています。
棚田からは・・・さあ! 春だよ! 農作業がはじまるよ! そんな声が聞こえてきます。
丘の先端にはクロガネモチの大樹が私たちの街を見下ろしています。クロガネも新たな新葉が芽生え出し、役割を終えた葉が風に舞いながら音をたてて落ちています。新旧交代の営みがはじまっているのです。
生まれ変わった幼い葉も生き生きと輝き、この一年間、威厳を誇って私たちの街を見守ってくれることでしょう。棚田では季節の訪れを忘れることもなく巡ってきているのです。
雨が降り出してきました。しばしのあいだ、農作小屋で雨宿りです。コンビニで買った大きなおにぎりを食べながら棚田を見ていると、雨雲が都会の方から迫ってきました。静かで幻想的な風景が醸しだされ、モノトーンの世界が自分が幼かった頃の記憶が呼び戻ってきました。
畑では大根の花や菜の花が満開です 雨と光が織りなす幻想的な世界
日本の自然が織りなす美しい四季や恵み、その自然は時に厳しい災害をもたらす地震や土石流となって私たちを襲います。このような自然の環境は世界的に見ても極めて稀な存在です。その中で暮らす日本の特愚性、その長い歴史の中で自然に人間の力がおよばない、日本人独特の自然観が育まれてきました。
それは自然を征服することではなく、自然の中に神の存在を認め崇拝しながら人々と共に助け合い、自然と共に生きて行くことでした。しかし、現代の私たちは人間…