子ども達と「うさぎ・にわとり」の遊び場

画像 幼稚園からうさぎ小屋の柵が古くなったので新たに考えてくださいと相談がありました。
子ども好きの建築家は何でも屋です。「うさぎと子どもたちの触れ合いの場」づくりをイメージしながら幼稚園に出向いてみると小屋の廻りには四角い柵が施され、うさぎと鶏がいます。 
じ~っと、うさぎを見ていると子どもの頃、神経質で過敏な動物であることを思い出しました。
うさぎを抱くと生身の動物の生暖かい体温と激しい鼓動が伝わってきました。ぬいぐるみと違う、この暖かい感触も子どもたちに伝えてやりたい。鶏はお好み焼き屋に行くときにいつも卵を失敬していました。

         うさぎ小屋と新たな柵

 理事長先生と幼稚園にとって小動物と子どもたちの触れ合いとは何か?・・・うさぎ小屋の柵は如何にあるべきか?・・・なんども、なんども話を重ねていると単なる柵の問題を飛び越えて、幼児教育の問題点まで話がおよび、やっと2ケ月も掛かってプランが固まりました。
子どもと動物との隔たりをなくし、柵のイメージを払拭すること。そのことによって子ども達と動物が自然に触れ合い、感動的な体験が沢山できること、そんな遊び場を作ることに決定したのです。

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                自然であるように柵は皮付きの丸太と植木も植えました


 柵は自然の皮付きの丸太を使って曲線にし、遊びの森と一体的になるようにしました。
神経質なうさぎも子どもから逃れ隠れる場所も作らなければそして、子どもと動物が柵で隔たりがないように身近に触れ合い、うさぎとにわとりの行動やしぐさから生態も観察でき、驚きと感動を友達と語り合うことができるように。「子ども達とうさぎ・にわとりの遊び場」づくり、子どもたちが遊びの中でどのような発見や体験をするか楽しみとなりました。

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                うさぎの隠れ場所は御影石の平板と自然石です


うさぎは・・・
うさぎも自然石で囲まれた隠れ場所が気に入ったようです。石の下を掘って自分の居場所を増築しています。
土を掘ることはうさぎの習性、この夏の暑さからも逃れることもでき、猛暑に喜んでいるようです。

にわとりは・・・
完成した日に柵を飛び越えて四回も脱走しました。遊び場が変わったことで興奮していたようです。
園長先生のしばらく様子を見守ってやりましょうと温かいお言葉を感じたようで・・・あくる日から脱走も一切なくなり、卵をよく生むようになりましたと、居心地が良いようで心が安定したようです。設計士にとっても大変喜ばしいことです。

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                       のぞき穴からの烏骨鶏の「うっちゃん」です


子ども達に秘密の「のぞき穴」・・・
既存小屋の後ろに六個の「のぞき穴」を開けました。夏は涼しい風通しの穴、冬は木栓をします。そしてこの穴があることは子ども達に教えないようにしてください。「のぞき穴」から得る感動は自分一人の世界、それを友達に伝えたり、みてみてと、のぞき穴を譲り合うことも大切なこと。
子ども達が発見したときの感動が楽しみなのです。しかし、完成の前日に子ども達はすぐに発見、「のぞき穴」から見るいつもの「うさぎやにわとり」のしぐさに驚き、小屋の中の様子を観察しながらここからも餌を与えていたと聞きました。
優しい子ども達です、うさぎや鶏たちと仲良くね。




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